薬草の旅 vol.10|長寿の村のおばあちゃんのごはん@沖縄県大宜味村

2023.06.02

沖縄県大宜味村

沖縄県の本島にやってきました。
那覇からずっと北上して、名護も超えて海沿いをぐんぐん進んだところにある大宜味村(おおぎみそん)は、
長寿の村として有名な場所でもあります。
その秘訣は、昔ながらの身体が喜ぶおばあちゃんたちの日常食。
でも、食文化が欧米化し、失われつつあるなか、古き良き郷土料理を守り伝えようと、管理栄養士の笑子さんが立ち上がりました。

たくさんのおばぁから料理や伝統的な暮らしを習い、自ら6つの畑を耕し、
県内外のみなさんに伝えるためにレストランの運営と、滞在型インターンシップを受け付けています。

地元の方にも愛され、お客さんの足も途絶えません。
しっかり美味しくて、お値段もお手頃です。
私も同じ管理栄養士であることもあり、たくさん刺激をいただいて、
これからどうやって多くの方の健康に関われるのか、どのように生きるのか、色々考える機会となる素敵なお店でした。

沖縄県大宜味村

いただいたお料理は、原種のそら豆に、秋ウコンのきんぴら。
薬草たっぷり味噌を使った、よもぎの味噌汁。

健康産業に関して、沖縄は抜群におもしろく、日常にしっかりと根づいた土地です。
というのも、薬効の高い植物がわんさか生えてる環境もあったり、
過去には琉球王朝時代に民のために養生をしっかり説いた老軍曹がいたり。
戦時中などの苦境でも自活せねばならない歴史的・地形的状況もあったりだと思いますが…
家族や町の人から養生について学べるコミュニティは、愛があふれていて本当に素敵だなと思いました。

沖縄県大宜味村

■笑味の店
Address:沖縄県国頭郡大宜味村字大兼久61
http://www.eminomise.com

ソテツの葉を編んだ虫かご

◎おまけ◎
その後、鹿児島県・奄美諸島の与論島へも立ち寄りました。
そこには植物をうまく活用した道具たちが残っていて、うっとり。
ソテツの葉を編んだ虫かごは、構造が綺麗でした。
繊維が強い月桃などの植物の鍋の蓋も趣があってかわいいですね。
お家にも欲しいなぁ、作ってみたいなぁなんて思っちゃいました。

 

※この投稿は2016年のリサーチのリポストです。最新情報は現地のウェブなどでご確認ください。

 

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新田 理恵 (Lyie Nitta)
TABEL株式会社の代表/薬草使。
管理栄養士であり、国際中医薬膳調理師。東洋と西洋、現代と伝統の両面から食を提案する。日本各地のローカルや海外の伝統ハーブの使い方をめぐり、伝統茶{tabel}(タベル)を立ち上げる。
薬草大学NORMや、オンラインコミュニティの薬草のある暮らしラボなども手掛ける。著書に「薬草のちから(晶文社)」がある。