玄海町薬草園の旅

2014.06.18

阿蘇からぐーんと北上。
日本海側に抜けたところにある、佐賀県玄海町。
海だー!!!

ここは九州では原子力発電所があることで有名。
しかも、その発電所のまさに隣の敷地には、薬用植物栽培研究所があります。
はっとするほど美しい風景。色んな矛盾をはらんでるなーと思いふける。
町が運営しているので、まずは町役所にお邪魔して職員さんに案内していただきました。

どうやら、玄海町の町長さんが国産生薬の可能性に目覚め、
「やるぞ!」と、一念発起。
研究所を作り、生薬の大半に含まれる甘草やミシマサイコを中心に商品開発などもしています。

この研究所では100種類以上の生薬が植わっていて、
月に1回程、大学の先生を招いてのレクチャーや、朝一なども開いてらっしゃいます。
大学の研究の実践や、モンゴルなどの乾燥地帯でも成育ができるようにや、数年で収穫までしっかりできるように工夫したり…
農家さんがうまく薬草の生産に踏み切れるようにと、試行錯誤しています。

実は、町おこしや地場産業として薬草のプロジェクトが始まっているケースは、
既に全国でいくつかあります。
特に、全国薬草シンポジウムの今年の会場である飛騨高山も町ぐるみで取り組んでおられます。
ここにも5/31に行ったので、そのお話はまた後ほど。

薬草の料理法なども教えて頂き、
全国の薬草の動きもなんとなく見えて来ました。
9割以上、漢方薬の材料は中国からの輸入に頼っている日本ですが、
中国の富裕層が増えたことにより、海外への輸出は減少するばかり。
生薬の国産化をしなければ、いつか日本は自然由来のお薬を充分に作れなくなってしまう。

企業も、行政も、ローカルで生薬をつくろうと、ますます動き始めているようです。
生薬は価値があるので、どう守りながら作って行くのかが難しい所でもありますが、
ガーデニングをするのなら、自分の庭でちょっとした薬草も育てることができたらと思います。

メディカルガーデニング、私も挑戦しよう。
美しい海を後にして、一気に南下。
鹿児島経由で宮崎に入り、霧島へ向かいます。

九州の最後の目的地は霧島。